後からできる?雪止金具より強力な落雪防止装置・設置方法をご紹介
こちらの記事では屋根材の種類ごとに取り付け可能な落雪防止装置の種類の紹介と、隣家に及ぼす落雪被害・取り付けに関するメリットやデメリットについてご紹介しています。
普段、私たちの生活している家屋の屋根には『雪止金具』という部材が取り付けられているのはご存知でしょうか?関東より西の暖かい地域では取り付けられていることが少ないのですが、ここ東北・宮城県の屋根にはほとんどの家屋で取り付けられていることが多い部材になります。
また、隣県の山形県では全体の過半数以上の棟数で『落雪防止装置』という、より強力な雪止器具が取り付けられています。
近年、ここ宮城県でも降雪の量が増え、自宅やお隣さんへの落雪により植木や物置の屋根などを破損させてしまったというご相談が多くなってきました。今回はその様な事故を未然に防ぐ手段として、通常・取り付けられている『雪止金具』よりも強力な『落雪防止装置』について詳しく解説していきます。
※マーカー部分はリンクとなっています。クリックすると詳しく解説しています。
1・落雪防止装置の役割
新築・屋根リフォーム時に取り付ける事が多い。『先付け』と『後付け』の2種類が有り、屋根の材質にもよるがカラーベスト屋根の場合・先付けの方が釘で固定できるため強いとされている。金物の高さは(使用する屋根材にもよるが)およそ40~60mm程度。
(株式会社キョーワ様 商品ページより引用)
『落雪防止装置』
リフォーム工事で取り付ける事が多い。既存の屋根材は交換等の工事の必要が無く、取り付けのみの工事が可能。既存の雪止金具に固定する方法や様々な施工方法・種類が有り、ほとんどの屋根材・屋根形状で取り付けが可能。
高さで落雪を防ぐ形状の物や雪の特性を活かし、取り付けの見た目をスマートにしたものなど多種多様。
落雪防止装置のメリットとデメリット
落雪防止装置のメリット
・落雪による近隣住宅への被害を防げる
近年多くなっている被害。落雪によるお隣の雨樋やカーポート屋根の破損のお問い合わせや相談が多い。物の被害だけではなく近隣付き合いにも影響が出てしまうことが有り、問題視されている。その問題や揉め事を防ぐ手立てになる。
・ほとんどの屋根で施工可能
(施工できる落雪防止装置の種類は屋根材によって異なる)
通常の一般住宅であれば1~2日で施工が可能。また、足場の有無は建てられている敷地の広さ・周辺の状況にもよるが、高所作業車が使用できれば仮設足場は無くても施工が可能。(有資格者による作業が条件)その為、仮設足場に比べてコストが抑えられる可能性が有る。
・取り付け位置が決められる
指定した場所の屋根や隣家側の一部にのみ取り付けなど、条件に沿った施工が可能。豊富な商品のラインナップのため様々な屋根形状・場所に適している。
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落雪防止装置のデメリット
・施工不良により屋根が破損する場合が有る
雪止めネットやスノーZ neoなどの施工不良によって、屋根に穴が開いたり破損したりする場合があります。雪止めネット等を設置する際は屋根材の特性や施工に慣れた専門業者に依頼する事をおススメします。
・施工不良により落雪防止装置そのものが落下する場合が有る
上記同様・施工技術が乏しい業者が施工した場合、きちんと固定されていない・設置方法を間違えているといった施工不良により、落下する場合が有ります。
また、施工不良さえなければ落雪防止装置の設置は費用がかかる以外のデメリットが基本的にありません。適切な業者選びが重要であることを覚えておきましょう。
2・落雪が及ぼす被害
落雪によりどの様な被害が考えられるでしょうか?
物や家屋への被害(物損)であれば少額の費用で直せる場合が有りますし火災保険の種類によっては雪害の対象となる場合も有ります。しかし、人為的な被害や賠償となるとその金額は増大します。
主な被害報告として、
・カーポートやサンルーム、庇(ひさし)屋根の破損
・自動車のボディの破損や傷(隣家への自動車も。)
・隣家への落雪による植樹等の破損(被害が無くてもトラブルとなる場合が有ります。)
・通行人への落雪(凍っていると重大事故につながる可能性が高い)
屋根上へ積もっている雪は意外と重く、雪の塊が落ちると思わぬ被害を及ぼします。また、積もり始めの雪はサラサラとしていることが多く被害の重篤度も低いですが、2~3日を経過した屋根上の雪は下部が溶けて凍った氷の塊となっている事が多く、密度もある為・重さ、硬さとも雪の状態を遥かに凌ぎます。
この様なものが、例えば雪止の付いていない屋根から学校帰りの小学生などの通行者の頭に落ちてきたら・・・・とても怖い状態であると想像できます。
3・屋根の種類ごとにオススメな装置の紹介
日本の家屋の多くでは様々な屋根の種類・形状がございます。ここでは主に多く使用されている屋根の種類と、種類ごとにオススメな落雪防止装置の紹介をしています。
瓦屋根 | ・日本家屋に多く見られる屋根材 ・材質はセメント瓦や釉薬瓦、日本瓦などの陶器瓦が主流 ・形状として大きく『和瓦』『平板瓦』に分かれている | 株式会社 キョーワ製 ゆきもちくん ・装置自体が薄型な形状。重厚な見た目の瓦屋根に設置した場合、主張し過ぎず見た目がスマート |
スレート屋根 | ・ハウスメーカーや建売住宅で多く採用さ れている ・『化粧スレート』『天然スレート』が 有るが一般的な屋根には『化粧スレート』が使用されている ・主な材質はセメントに繊維素材を混ぜたもの(現行品はアスベスト含まず) | スワロー工業製 スノーZ neo ・役物(外角や谷部材)の種類が多く多種な屋根形状に合わせる事ができる |
金属(板金)屋根 | ・トタン、ガルバリウム鋼板などの芯材に塗装し製品加工したもの ・板厚は様々な種類が有り、一般的な屋根に使用されているのは0.35㎜~0.4㎜が主であることが多い ・縦葺きと横葺きに分かれており、屋根の形状や勾配などによって施工方法が選べ る(雪が多く降る地域では屋根が潰れないよう、滑りやすい金属を使用してる事が多い) | スワロー工業製 スノーZ neo ・上記同様。また、隣家が近く、軒先部分が狭い狭小地用も取り揃えている |
4・工事の流れや日数、足場の有無を解説
・工事の流れ
まずは現地調査を行い屋根の形状・勾配・材質や種類、建物の周りの環境や足場の有無などを調べます。また、この時に合わせてお客様へヒアリングを行い特に注意したい場所や増設したい箇所なども聞いていきます。調査結果とヒアリングを元に資材の選定を行いお見積りの作成・提出、すり合わせを行い工事日を確定させます。
街の屋根やさん仙台店では工事前に必ず工事案内日を近隣の方へご挨拶に伺い、周知を頂いたら施工に入っていきます。
・工事日数と足場について
落雪防止装置は種類と屋根の大きさ・天候等によりますがおおよそ1~3日程度で施工が可能な商品です。主に軒先部への取り付けとなりますので、短期間での工事が可能です。ですので、仮設足場も短期間と言いたいところですが足場の撤去については足場業者の予定によるところも大きな割合を占めていますので、施工のタイミングによっては施工後・2週間程度、仮設足場の組まれたままという状況もしばしば有ります。
・オススメは高所作業車
高所作業車とはその名の通り、高所での作業を目的とした特殊車両になります。一般的に見掛ける事が多いのは電気工事での電柱作業の配線工事でしょうか。こちらの車両のイメージは『電気屋さん』ですが、僕たち板金店や塗装店なども使用します。
資格さえ所持していれば使用できますが、条件として建物の敷地が広く車両を据え付けられる、もしくはお隣の土地をお借りし作業が出来るなど、ある程度の条件下でのみでしか使用できないというのがネックポイントとなります。仮設足場費に比べ・コストが抑えられるのも魅力の1つです。
5・まとめ
以上、落雪防止装置についてのメリットとデメリット・工事に関するメリットとデメリットについてでした。いかがでしたでしょうか?
近年、増加傾向にある近隣トラブル。その割合で多く占めるのは屋根からの落下物や敷地内に侵入してきた植樹等によるものです。誰でも揉め事は避け、平穏にお隣さんと仲良く生活したいとは思いますが、今まで何もなくても些細なことがトラブルの発端となり険悪になってしまう場合も有ります。また、昨今の異常気象による台風の肥大化や大雪・降雪量の増加、土地が無く狭い敷地に建設し隣家が近いなど、私たちにはどうする事もできない自然災害や建設に関する事情などが多くなってきています。
その様な被害の現状を軽微なものにし打破していくために、備えていくのも1つの手立てかと思います。まずはキッチリとした専門業者へ依頼し、現状の確認と起こりうる被害の予測、対処法などを知って頂く事をおすすめします。
街の屋根やさん仙台店では落雪防止装置をはじめ屋根の状態やメンテナンス周期、雨樋の状態や交換の目安時期まで、建物外部に関するご相談や調査・提案まで全て無料で承っております。
また、スノーZなどの落雪防止装置の取り付けに関しては数々の実績・棟数を施工してきたノウハウががございます。是非お気軽にご相談ください。
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